最初に言っておかなければなりません
私が一番好きな戦闘機は
ゼロ戦です
しつこいようですがゼロ戦です
F4Uコルセア アメリカの合理主義が生んだ異形の戦闘機 - わかくさモノ造り工房
決して浮気をしているわけではありません
ただ、ゼロ戦がいつまでも最強の座に居続けられなかったその理由を探っていると、大体上の2機種の戦闘機に行き当たります
米軍機も勉強すればするほど、恨み・悔しさと、それ以上に魅力が増してくるんですよね
以前、アメリカ的な合理主義で出来上がったF4Uコルセアの話をしました
今回は全く異なる用兵思想で開発されたF6Fヘルキャットを紹介します
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久しぶりの新作かつ自作のペーパークラフトです
今回もなかなかの自信作です
以前からF6Fの展開図が無料で転がっていないものか、と延々WEB内を探しまわっていたのですが
どうも思ったようにHITしません
あるにはあるのですが、出所不明でなにより解像度が低い
むぅ・・・気に入らんな
これではロクな作品ができない
そういう場合の私の行動原理はただ一つ
「自分で作っちゃる!!」
です
過去の事例としては
このへんですね、「無いなら作る」の産物
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それではご覧いただきましょう
F6Fヘルキャットさんです
まず第一印象ですが・・・
・ぶっさいく
・デブ
・特徴が無い
ゼロ戦のような美しい流線形でもなく
F4Uコルセアののようなバケモノ級の突き抜けたフォルムでもありません
プロペラ飛行機をイメージした時に、各ポイントの平均的な特徴を揃えたらこういう形になるなぁ
っていうくらい特徴がない
・筒状、円錐形の本体に3枚羽のプロペラ
・ほぼ水平に伸びており、ほぼ長方形の主翼
・あ、とりあえずエンジンの後ろにコクピット付けといて
人間に例えたら、目が2つ、鼻が1つ、口が1つ、耳が2つ
あ、薄毛はヤダ、フサフサにしといて っていうレベルの普通さ
実はこの特徴の無さがヘルキャットをはじめとするグラマンシリーズの特徴であり
後々、この特徴が最大の持ち味になり日本軍は悪夢のような苦戦を強いられることになるのです
ではこのF6Fの前身であるところのF4Fワイルドキャットを見てみましょう
まぁ似たようなもんですね
主翼が中翼になっているくらい
これはF4Fワイルドキャットね、記事に何度か出てくるのでF4Uコルセアと混同しないように・・
さらにこの前身(厳密には別系統ですが・・)F2Aバッファロー
まぁ似たようなもんですね
この2機種までなら、ゼロ戦で勝てる
一旦戻って今回のF6Fヘルキャット
まぁ似たようなもんですね
さらに進化版のF8Fベアキャット
4枚プロペラになって、キャノピーが球状に
まぁ、似たような・・・
・・・って
(実際にはいろんな改良が施されているのですが、あくまでパッと見ね)
そうなんです
このキャットシリーズを開発、製造していたグラマン社は野心的な改変を一切せず、拡大改良版ばっかりひたすら作っていたのです
(F2A)F4F→F6F→F8F と
もちろん大幅な性能強化は望めませんが、新型を開発するたびに段階的な強化と、なにより信頼性が上がっていきます
「とりあえずグラマンに作らせておきゃ大丈夫だろう」
という安心感
逆にF4Uコルセアのような3段階飛び級するような野心剥き出しの新型機
これをチャンスボート社に失敗上等!で開発させたのもこのグラマンの安心感があってのことだったのです
これもアメリカ合理主義の一形態だと言えるでしょう
で、この拡大改良型の完成形ともいうべきF6Fヘルキャット
(F8Fの方が新型ですが、出来た時にはF4Uコルセア→ジェット機への移行期で使い道が無くなっていたという悲劇)
何度も言うようですが特徴がありません
形が非常に単純なんです
すると何がメリットかというと
作りやすい
ゼロ戦が限られたエンジン出力で最大限の性能を発揮するために軽量化を極め
それはもう伝統工芸品のレベルで職人が丁寧に仕上げるのと対照的ですね
そのへんのパートのおばちゃんを連れて来て製造ラインに座らせておけば
そこそこの性能のほぼ均一な品質の機体が出来上がる、という仕組み
別におばちゃんの腕が悪いと言っているのではありません
腕の良し悪しに関係なく同じようなものが出来上がるように設計されており
今まで似たような機体ばっかり作っていたから製造ラインのノウハウもしっかり出来ていたのではないかと推察します
そしてこのF6F
めちゃくちゃ頑丈!!
パイロットや燃料タンクなど重要な部分を守るために、とにかく重装甲
ゼロ戦の豆鉄砲7.7mm機銃では塗装をはがす程度の傷しか与えられなかったとか
撃墜するためにはコクピットを正確に射貫くか、20mm機銃(持ち弾が少ない)で炸裂弾を当てるしかなかったそうです
だからその分
重い
デブい
付いたあだ名が「グラマン鉄工所」
これはグラマンという会社についた非公式愛称ですが
F4F、F6Fそのものを差すこともあったそうです
じゃぁその重い分 どうしたかというと
大出力エンジン
でカバー
もう力押しですな
これはF4Uコルセアでも同じでしたが、F6Fでは主に機体の装甲・作りやすさ・整備性の方に重点を置いたようです
さぞやドンくさい戦闘機に仕上がったんだろうな
と思ってしまいますが
これがまた意外と扱いやすく、整備士からも好評
スピードもまあまあ、旋回性能も良い、操作性も良く、パイロットからも好評だったようです
だからそこそこ訓練を積んだ新米パイロットでも簡単に扱えた、とか
そのまま出撃して、日本軍の熟練ゼロパイロットに
ぼっこぼこ
にされても重装甲だから生きて帰ってこれる
そしたら次からはもうベテランパイロットですよ
かくして著名なエースパイロットは居ないけど、実戦経験豊富な熟練パイロットを量産してくれる名機となったのでした
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これをね
ガンダムマニアに分かりやすく説明すると
一年戦争時に大量生産された量産型のジム
ただ、量産でも後期型でジェネレーター出力UP装甲UP+アムロの戦闘記録をフィードバックされた
「めっちゃ強いジム」
と考えていただければ分かりやすいかと
さて今回のペーパークラフト
最大の見どころは
この
パネルライン
あと金属光沢を意識したグラデーション
これ全部PowerPointで描きました いやマジで
逆にこういう単純図形の組み合わせに向いてるんですよねパワポ
(他の描画ソフト知らないから ホントのところは分からないww)
あとは落書き程度ですがカウル内のエンジンもそれっぽく描画してみました
エアインテイクのところがニヤけ顔みたいww
今回も熱く語ってきましたが
実はまだ一部分です
F6Fの恐ろしさはこんなもんじゃない
知ってる人は知っていると思いますが、F6Fの実機に仕込まれていたあの主翼のギミック
なんと!不完全ながら紙で再現してみました
早く知りたい人はググってね
めんどくさい人、ビックリしたい人は
待て!次号
前回もたくさんのはてブ下さった皆さま ありがとうございました(*´ω`*)