わかくさモノ造り工房

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大航海時代における外洋船の船体形状の変遷 GIF動画で解説

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記事の流れとしては前回の・・・

続きなのですが

旧式帆船からフリゲート艦に進化するにあたって

取り入れられていた新機軸のうちの一つ

船体形状の変化について語ってみましょうか

 

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せっかく新規で仕入れた知識もあるので、大航海時代全体の流れも時代を追って紹介しようと思います

 

ほんで今回の表題「大航海時代における外洋船の船体形状の変遷」となるわけですが

 

色々調べていたところ

白い船舶模型を発見してしまいました

<広告>カタロニア船

おそらく船舶模型界隈ではメジャーな船なのかもしれませんが、私にとっては初見

その可愛らしいフォルムに思わず二度見ww

 

上の画像は「カタロニア船」と呼ばれている船舶模型のレプリカです

オランダ ロッテルダムヘンドリック海事博物館に収蔵されており、現存する世界最古の船舶模型とも言われています。船種の一般名称は「コグ船」に属しており、12世紀頃からバルト海で交易などに使用されていました。丸みを帯びたずんぐり船体が特徴で、1本マストの1枚横帆で非常にシンプルな帆装です。

 

今まで紹介してきたキャラック船

これの1世代前の先祖にあたる船と思われます

 

画像の印象からもお分かり頂けると思いますが・・・

大航海時代初期の古いタイプの外洋船は船首楼と船尾楼を目いっぱい高くして、高波に対応しています

乾舷も高く、横からの波も防御できますね

 

このように大型船を建造する技術が無かった時代は、外洋の波に対応するため

丸っこいフォルムが一般的でした

なんつーか、こう・・をそのまま浮かべてマストとセイルを付けただけような船形ですねぇ

 

 

これもう耐波性能、というよりは弄波性能(造語です:波に弄ばれても大丈夫な性能)と表現した方が適切かもしれません

大波の膨大なエネルギーが襲いかかって来ても船体を前後左右にグルングルン回して受け流します

極めて高い復原力によってどんなに傾いても必ず元の状態に戻ってしまうのですww

(しかしいつまで経っても前に進まないなぁ・・・)

 

うん、先人たちの叡智を感じるぜ

 

ということで、まずは・・・

元々の画像が船舶模型ですので誇張も入っていますが、カタロニア船から次の時代のキャラック船に至る船体形状の変化をGIFで表してみました

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このころは正面の耐波性能を上げるためか、船尾楼よりも船首楼のほうが位置的に高く作られています

この辺りが中世のノスタルジックな印象を受けますね(個人的感想)

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さらに船体は大型化していき、船体は長くなり、船尾楼が巨大化してきます

これがガレオン船

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ヨーロッパ諸国では船の大きさや、装飾の豪華さ(特にこの船尾楼の装飾)で競いあうようになり、国力を誇示する目的にも使用されることになります

(特に国力誇示の風潮は第二次世界大戦期まで続き、末期には大日本帝国も加わり長門型戦艦を含むビッグ7へとつながる訳ですが話がそれるのでここまでで)

 

このようにキャラック船ガレオン船など船体の大型化に伴って船首楼と船尾楼の位置は相対的に低くなってきたものの、その名残りは色濃く残ります

 

それまでは外洋船の主目的は交易未知の世界への探求でしたが

世界の全体像がなんとなく見えてくると、次は権益争いが起こります

ある程度の攻撃力を持たせるために若干の大砲は積んでいたようですが、ヨーロッパにおける相互影響でどんどん重武装になって行きます

(これがいわゆる大艦巨砲主義へと発展し、大和型戦艦で終焉を迎える訳ですが話が反れるのでここまででww)

 

とにもかくにも大砲数を増やすとなると、左右舷側にズラリ

さらに増やすには上下に多層化してズラリ

こうなってくると丸っこい船体では傾斜が多く大砲の設置も照準も安定しません

 

一方・・・

このころには先人の経験から安全な航路、危険な航路、それぞれ把握されてきているので荒波にもまれる機会も減ってきます

 

・通商破壊をするにしても・・・

安全な航路を通ってくる商船団を襲うわけですから安全(商人側はやはり危険)

 

・はたまた戦争をするにしても・・・

外洋とはいえ、拠点から近場の海上でドンパチやるわけですから安全(少なくとも海面のコンディションはw)

 

そうなると船体を丸っこくするよりは出来るだけ長くフラットにする方がたくさん大砲を載せることができますね

 

正直ね、邪魔になってきたんです、船首楼と船尾楼

 

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本題のフリゲート艦に行く前に

レイジー(またはレイジー船)という名称にも触れておきましょう

これは特定の艦種を指すものではなく、上記の理由から船首楼、船尾楼を切り詰める(英語でrazeed)改装を施した船を指します

 

これら改装の利点をWikipediaからも引用してみましょう

・船楼に余計な風を受けなくなることによって、風上に切り上げる操船が容易になった。
・トップヘビーが解消され、かつ全体に軽快になった。
・船尾楼を低めることにより、最も後ろのマストの桁が自由に動かせるようになった。

 

せっかく丹精込めて造ったキャラックや、ガレオン船首楼と船尾楼

「結局レイジーされてまうんかいっ!!」

造船所オヤジの落胆たるや察するに余りある・・・

 

かくして、時代の流れに伴い船首楼、船尾楼がもともと低い状態での造船が主流になって行ったのでありました

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ではいよいよ・・・

船体形状にこれまでの造船の常識を覆すような劇的な変化が起こります

その代表格がフリゲートなのです

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いかがでしょうか

一気に近代的シャープ洗練された船体形状になってきたではありませんか!

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このような時代のトレンドに伴って作られた船ですのでこのフリゲート艦の船体はフラットになっている訳です

キャラック船ガレオン船との違いがお分かり頂けましたでしょうか

 

まとめ動画はちょっと重いのでyoutubeにUPしました

f:id:wakajibi2:20190607112000p:plain

ゆーてもたった16秒ですけどねww

今回の動画

PowerPoint®とMovieMaker®を使用しています いやぁ・・・大変だったわw

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 えーっとね・・・

これフリゲートの新機軸

まだ第一弾ですww

あと2つ3つあるのですが、果たして終わるのだろうか・・・(このブログこんなんばっかorz)

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