わかくさモノ造り工房

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カナダが誇る漁船兼レーサー ブルーノーズ(Bluenose)

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今回紹介するのはブルーノーズ(Bluenose)です

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日本語に直訳すると「青鼻」・・・

あまりイメージが良くないのでブルーノーズ(Bluenose)のまま行きましょう

 

1921年 カナダのノヴァスコシア ルーネンバーグにて建造されたタイセイヨウダラ 漁の漁船 ニューファンドランド沖で主に操業

全長43.6メートル、喫水線34.1メートル、排水量258トン、喫水4.85メートル、船幅8.2メートル

 

漁期が終わると、その後はレース艇として活躍します

この辺りが帆船→ヨットの過渡期といった面白い時代でして

漁の解禁時期には魚を獲りまくる、漁が無く暇な時には漁船同士が集まって誰が速いか競い合う

といったことが普通に行われていたんですね

初物の茶葉をいち早く本国に持ち帰るティークリッパーのレースともちょっと違って

仕事は仕事、レースはレースと完全に分離していながら、これらを同一の船で行うわけです

ワタクシ的感覚としては ヨット=レース の頭しかないので、このような趣味と実益を兼ね備えた船に感動したものです

 

Bluenoseは小型漁船を載せており、その母船として機能していたそうです

漁船としても優秀でカナダの歴史上、漁一回あたり最大魚獲量の記録を持っています

また就業を始めた同年の1921年、国際漁師賞(International Fisherman's Cup)を獲得したのを皮切りに、17年間に渡り同賞を獲り続けました

漁船としてもレーサーとしても優秀だったことが分かります


付いたニックネームが

北大西洋の女王」"Queen of the North Atlantic"

 

余談ですが、なぜ王様ではなく女王なのか?はこちら

船は女性名詞であることが多いのです

 

Bluenoseはその後もタラ漁、レースにと活躍していましたが、原動機の漁船が主流になってくると、その本来の目的を終え戦時中はルーネンバーグの港に係留

さらには貿易会社に売却されカリブ海で貨物を運んでいましたが、1946年ハイチで暗礁に乗り上げ、そのまま廃棄処分となりました

 

 

日本ではあまり馴染みがありませんが、カナダでは1929年と1982年に切手のデザインに採用されたり、2002年には硬貨に浮き彫りで描かれるほど国民的に愛されている船です

さらに地元ノヴァスコシアではナンバープレートにも描かれています

そもそもBluenoseには「ノヴァスコシア州出身の人」とか「極端な清教徒的な人」などの意味もあり北米の東海岸に入植してきたヨーロッパ人の歴史や文化も反映されているようです

現在は後継船であるBluenoseⅡノヴァスコシアの航海大使となり、観光客をクルーズに誘います

Schedule | Bluenose II 2020年6月現在コロナ禍の影響で運休

(´-‘).。oO(私はカナダにすら行ったことが無い)

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帆船「アメリカ」との比較

本来は直系の祖先⇔子孫の関係では無いのですが、前回もお話したようにキールの形状変化が分かりやすいよう選びました

元々ブルーノーズの存在は知らなかったのですが、いろんな船の船底形状を物色しているうちに偶然見つけたのがこの船だったのです

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帆船「アメリカ」よりもさらに船首の上下が細くなっておりボトムライン(船底の水平の部分)がグッと後ろに下がった印象があります

一方船尾の方も前方に切り込んでおり、キール(錘)が前から後ろから押し込まれ、エリアがどんどん狭くなっています

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その代わりと言ってはなんですが

船体の断面図の方にも変化が出てきていることがお分かりでしょうか?

いままでは鍋の底みたいな感じだったキール(錘)は中心から下に向けてムニュッ!と押し出されてきてるように変形してきました

錘としてのキールはどんどん中心に集められ、平べったく前後に伸ばされながら深く深く水中に刺さって行く形状に変化していきます

 

次回は再び「アメリカスカップ」参加艇に戻り、どんどん突き抜けて行くキールの変遷を見守りましょう

 

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wakajibi2.hatenablog.com

 

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