わかくさモノ造り工房

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CIWS(近接防御火器システム)ファランクスとSeaRAM 護衛艦いずもペーパークラフト

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現在、市販の書籍の付録

 

「水に浮く! 1/350ペーパークラフト 最新護衛艦いずも」

これを製作中です

wakajibi2.hatenablog.com

何度も言うようですが、今のところ水に浮かせる予定はありません、悪しからず

 

 

まずはちょいと昔話


近代以降(日本でいうと明治時代以降)一般的に「戦艦」と名が付く軍艦は、その時代における最大火力を持ち、それと同レベルの攻撃を受けても耐えられる重装甲を備え、かつ機動力も必要であるという条件を求められました 

 

スペック上は世界最大・最強であった戦艦大和・武蔵

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全長263m、全幅39m

三連装砲塔3基合計9門の46cm45口径砲主砲を持ち、その最大射程は42,026m、高さは10,000mを超えたとか

いわば「エベレストを超える高さを飛翔し、フルマラソンと同程度の距離まで届く」大砲を持っていたのです

さらに410mmの厚さの鋼鉄の垂直甲鈑を装備し、そのため最大排水量(大型船の重さの表現)が72800tと凄く重い

これは、敵艦隊と砲弾の撃ち合いになっていくつかは被弾するのが前提で船を設計しているからなんですね

当時、この甲鈑を貫通出来る砲弾はありません

しかもこの巨体なのに27ノットのスピードを出せます(空母や米戦艦と比べるとちと遅い)

 

ところがイザ開戦してみると、敵艦の砲弾を受けることは無く、代わりに航空機による爆撃・雷撃をしこたま喰らわされることになりました

爆撃・雷撃の解説はこちら↓

wakajibi2.hatenablog.com

甲板上構造物水面下の横腹を狙われることになりますので 、想定した能力を最大限出し切れたとは言えませんが、それでも

大和は爆弾5~10発、魚雷10~15本(資料によりバラつきあり)

武蔵に至っては爆弾17発、魚雷20本、被弾・被雷した上、戦闘終了時にはまだギリギリ浮いていたそうです

両艦とも防御性能の限界まで頑張ったのですが、あえなく沈没してしまい痛恨の極みであります

(参考までに、1世代前の戦艦プリンス・オブ・ウェールズ日本海軍航空隊の攻撃で爆弾1発、魚雷6本で沈没)

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大和型の大きさ、重さ、タフさ、打たれ強さはギネス世界記録としても残っています

大和型戦艦:世界最大の基準排水量及び満載排水量をもつ戦艦

つまり世界一大きい、重い

空母信濃:世界最大の戦艦改造空母

戦艦改造がポイント、空母全体で括ると今の米軍空母の方が遥かに大きい

 

んで武蔵がこれまた凄い

戦艦武蔵:世界一被弾した軍艦

大和型の耐久力はァァァァァァァァァァ 世界一ィィィイイイ!

まぁ意図して競争するような記録ではありませんが、日米が激突し沈没することによって得られた記録でもあり、なんか複雑な気持ちです

(その他不名誉な記録もありますが割愛)

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このような世界一の大和型

「時代遅れ」「世界三大無用の長物」などと揶揄されることもありますが、とんでもない!

 

立場を替えて米海軍航空隊の搭乗員の気持ちになってご覧なさいよ

対大和戦を例に挙げてみましょう

今の我々は結果を知ってるから、簡単に「大和撃沈」なんて言えますけど

いくら魚雷・爆弾、果てはロケット弾を撃っても撃ってもなかなか当たらない

(米軍資料によると当日撃ったのは魚雷60弱、爆弾80弱、ロケット弾100発以上)

当たるようになっても一向に沈まない、止まらない、まさにバケモノ

もし本隊に近づけさせようものなら超ド級(本来の使い方)の46cm巨大砲弾が水平線の向こうから飛んでくるんですよ

「ホントに倒せるのか?コイツ(;´Д`)」

戦闘詳報なんかをナナメ読みしてみると、確かに米軍側に余裕はあったにせよ双方死力を尽くして闘った形跡が見てとれます

米軍側から見た大和型戦艦のラスボス感たるや察するに余りある

 

偉大なる戦艦を産み出した先人に敬意を

戦争によって亡くなられた英霊とすべての方々に哀悼の意を

生き残って日本を立て直した方々に感謝を

見事大和・武蔵を撃沈した敵方の勇士にも称賛を

この場を借りて贈りたいと思います

 

ところで上記のギネス世界記録

おそらく今後、永久に破られることはありません

何故なら、世界中を見渡しても現役で働く「戦艦」は既に居ません

これから建造される予定もありません、そう時代遅れだから

従って「戦艦改造」、ということも起こらない

 

そして武蔵以上に被弾することは不可能であることもこれから説明します

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現代の米海軍駆逐艦や日本の護衛艦の船体には「高張力鋼」と呼ばれる高性能なものを使っているとはいえ、厚さは10mm程度と言われています

大和型と比べるのはおかしいかも知れませんが、1/40程度の薄さ

 

いわゆる紙装甲、ペラッペラですわな

つまり砲弾やミサイルが当たることを前提とした防御は初めから諦めてるんですね

 

ではどうするのか?

かつて、あの赤い人は言いました

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「当たらなければどうということは無い!!」

 

まずは装甲を薄くした分、船は軽くなるため速度を上げます

そして逃げまくる

しかしながら船の最大速度などたかが知れてます

 

そこで活躍するのが今回の記事の主役

CIWS(近接防御火器システム)

 

ちょっと古いですが分かりやすい動画がありましたので興味のある方はご覧ください

2:50あたりからCIWSの活躍するシーンになります

動画にもありますが、このような個艦防御が必要になる前に、航空支援海中からの支援輪形陣による艦隊防御など複数の防御網を敷いているため、1発や2発のミサイルが飛んできたところでまず届きません

 

攻撃する側からすれば、何発同時に撃てば飽和攻撃になるのか?見当も付きません

(飽和攻撃とは:攻撃目標のもつ防御のための処理能力の限界を超えた時間当たりの量)

 

つまり何重もの防御網を敷いて、絶対にミサイルが当たらないようにする

というのが現代の軍艦の防御に関する一般的な考え方です 

最後の砦となるのがCIWS(近接防御火器システム)なのです

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前置きが長くなりましたがCIWSを作っていきましょう

今回の護衛艦いずもペーパークラフトにセッティングされていたCIWSは2種類

順にみていきましょう

 

まずはファランクスと呼ばれる火器

 

パーツ一式がこちら

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組み上げるとこうなります

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いわゆる機関銃なのですが発射音が面白い

我々のイメージする機関銃の音は「ダダダダダダダダダダダ」ですよね

wakajibi2.hatenablog.com

でもファランクスは毎分4500発、1秒換算だと75発

余りに連射速度が速すぎるから、音で表すと「ブゥーーーン」になります

もう一度、上の動画で確認してみてください

 

目標を探知→攻撃が約2秒、目標破壊までの平均弾数が約200発で3秒弱

つまり約5秒ごとに1目標ずつ破壊していきます

 

20mmの多銃身機銃と小型の補足・追尾レーダー(上の白いやつ)で構成されており、射撃管制は全自動です

なんせ数キロ圏内に接近した音速に近いミサイルを数秒~十数秒の間に撃ち落とさなければいけません

 

 昔の機銃は、射手や旋回手、給弾など複数の人員で運用していましたが

たとえこれらが電動でも、人間の判断能力では追いつきません

 

目標の捜索探知補足追尾射撃および撃墜判定再攻撃または他の目標捜索へ移行という一連の動きをまるっと自動でやってくれます

 

 

 

次にファランクスの機銃部分を、RAMという小型ミサイルランチャーに換装した

SeaRAMを作ります

パーツ一式がこちら、大部分のパーツが共通です

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土台や測距レーダーなどは同じですが、機銃の砲身がランチャーに代わります

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SeaRAMもすべて全自動で目標を破壊してくれます

 

 

これらをそれぞれ2基ずつ作り、設置していきます

まずは船首部

飛行看板前端やや右舷寄りにファランクス1基

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艦橋前部にSeaRAMを1基

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艦尾右舷にファランクス、左舷にSaeRAM、各1基ずつ

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これで個艦防御はバッチリ!!

 

先ほども述べましたように、ペラペラ装甲の現代の軍用艦

1発でも当たれば船が爆散・沈没するわけですからとにかくすべて撃ち落とす!!ってのが大前提になっています

もう戦艦武蔵の世界記録を破ることは出来ないのがお分かり頂けただろうか?

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最後に救命ボートです

オマケみたいなもんです

外板と内壁と仕切りの3つのパーツで構成されています

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組み上げたのが画面上のボート

 

この方式はなかなか参考になりますね、φ(・ω・ )メモメモ ... 

これらを船体後方の格納庫に設置します

右舷と

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左舷

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テクスチャで済ますのではなく、ちゃんと立体化してるのがいいですね

横から覗いたときにチラ見えするのがタマランww

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あとはアンテナなど小物がありますが、しばらくは撮影や何やらでイジり倒すので邪魔になります

一番最後に設置予定

 

いよいよ次からは艦載機!!

ミクロの世界はまだまだ続きます

まずはキットに付いている対潜哨戒ヘリSH-60Kから

 

次の記事はコチラ

wakajibi2.hatenablog.com

 

 

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