前回の続きです
山科植物資料館より
ミブヨモギ記念館を出て、屋外を案内してもらいます
訪問したのが2月の上旬でしたので、まだ屋外は肌寒く
ほとんどの植物が芽吹く前でしたので園内の景色は閑散としております
おすすめの季節は5~6月や秋ごろだそうです
資料館を出てすぐのところには
サントニンを抽出するために用いていた小型タンクが展示されていました
屋外の見本園は、漢方の生薬エリアや、染め物に利用する植物エリアなどがありますが
スマホに残ってた画像はこれだけでしたorz
クチナシ ですね
染料に用います
あとは巨大アロエなんかもありましたが、ビニールを被っていてよく見えませんでした
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では温室に参りましょう
まずはコショウですね
食卓で毎日のように目にする香辛料ですが、本体を見るのは初めてです
インド西南原産
いわゆる大航海時代の原動力になった交易品ですな
続きましてバニラの木
周辺には馴染みのあるバニラの香りが漂っていました
根元付近にはサンプルが置いてありまして
バニラの香り成分「バニリン」の白い結晶が鞘の中に析出しているのを見せて頂きました
これも日常、香りを聞くことの多い成分ですが、実際木に生っているのを目にすることは・・・
と思っていたら
なんか普通に売ってましたね
そんなに珍しくも無かったようです
( ´-`).。oO( 買ってみるか・・・)
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次は、ある特定ジャンルの人には響く植物
ロッグウッドと言われれば「???」になると思いますがこの植物から抽出される成分は
ヘマトキシリン!!
これでも「???」の方はごめんなさい
自然科学系の出自の方はご存じかと思いますが、生体の組織を顕微鏡で観察するときに使用する染色方法
HE染色(ヘマトキシリン-エオジン染色)で有名なアレです
↑こういう染色方法
ざっくり言うと
青色に染めるのがヘマトキシリン
赤色に染めるのがエオジン
こうすると細胞内構造のコントラストがくっきりして観察しやすくなるのです
そうかそうか、こんな木から作られていたのか
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前回もチラっと話題に出ましたが、キナノキ
アカキナノキ と 表札が隠れてしまってますがカリサヤキナノキが並んでいます
奥のカリサヤキナノキは、資料館職員の方が台湾まで出向いて譲り受けてきたそうです
ここでも解説しましたが
元々キナノキは台湾原産ではなく、南米原産です
1922年、まだ台湾が日本だった時代にキナノキの大規模栽培に成功しましたが
その時の子孫の株を分けて貰った可能性を考えると、なかなか感慨深いものがありますね
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そして
この植物資料館を訪れた方のほとんどがトピックに挙げる植物
その名も「奇想天外」
ウェルウィッチア(学名:Welwitschia mirabilis)とも呼ばれ、発見者であるオーストリアのウェルウィッチさんからその名が付いています
どうも和名の「奇想天外」が前面に来てしまいその他の情報が頭に入ってこないのですが・・・
アフリカのナミブ砂漠にのみ自生する珍しい裸子植物で、寿命は数百年とも言われています
過酷な環境で生き延びるために10m以上も地中に根を伸ばして水分を吸収します
また数十年に一度だけ降る大雨に備えて毎年多数の種子を作り続け、運よく発芽したものだけが生き残るのです
ここの「奇想天外」はサイズ的に国内で恐らく最大であろう、とのことです
あとはアラビアゴムノキ
幹に傷を付けると樹液?乳液?が出てくるアレですね
いわゆる天然ゴム
名前の印象から真っ先に
これを連想したのですが
お馴染みのアラビックヤマトは天然ゴムでは無く
石油を原料として合成された化学樹脂の一種であるPVAL(ポリビニルアルコール)が主原料でした
最後にカカオです
いわずとしれた、チョコレート、ココアなどの原料です
特徴的なのは、幹→枝→実 という一般的な実り方ではなく
幹からいきなり実が生っているのがお分かり頂けるでしょうか?
集合体が駄目な人はマジマジと見ない方が吉
こんな感じで紹介してきましたが、記事に挙げた植物はごく一部です
私の偏ったセレクトによるものですので参考になるかどうかは分かりませんww
ほかにも多種多様な植物が栽培されており、季節によってはさらに増えます
バリエーションが豊富であるのはもちろんなのですが
前身が製薬会社の薬用植物栽培地というだけあって、医療系、サプリ系に重きを置いたラインナップの印象を受けます
また、そこここに館長さんや学芸員さんのマニアック度が伺えます
ご興味のある方はホームページをご覧ください
または、予約して実際に来館してみてください