はじめに
紙模型工房さんが無償公開して下さっている
零式艦上戦闘機五二型のメイキングです
とはいえ、上のサイトをご覧になればお分かり頂けるのですが
「組み立て方解説」が物凄く丁寧に書かれているので
「THE!蛇足」
であることを踏まえた上で読み進めてくださいw
その中でもあえて皆様に伝えたいことは、ですね
過去にも数多くの方々がゼロ戦のペーパークラフトを作ってくれています
そのすべてを作ってみたわけではありませんが
私の経験からこの作品独自の
新機軸
と思える箇所を紹介したいと思います
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主翼
まず、ゼロ戦をゼロ戦らしく、なおかつ美しく見せるポイントとして
以前も解説しましたが
この上反角
胴体下部から「シュッ」と上に反りあがる直線的な主翼
これを忠実に再現するのが意外と難しい
主翼がダラーンってなってたら、それはもはやゼロ戦では無い!!
例えば3Dモデリングをそのまま展開したような
いわゆる「ガワ」だけで作ろうとしてもまずこの形状は再現できません
主翼自体の重みでダラーン orz…
それに引っ張られて胴体がビローン orz…orz…
この作品では
紙模型工房より
画像の様にあらかじめ角度が固定された内部支持パーツを仕込みます
これで主翼のフォルムがビシッと決まる
ただ、ここまでは他の作品でもありがちなアイデアなのですが
ここからがスゴイ
紙模型工房より
支持構造にさらにパーツを継ぎ足して
20mm機銃とピトー管(速度計)を一体化しています
そもそも飛行機模型に置いてこれらの小さな突起物はほぼ間違いなく
オマケ
として最後に付け足されるか、そもそも無視されることもあるパーツです
しかし実機では主翼内部の独立した装置であって、特に戦闘機での重要性は言を俟ちません
これらを内部構造物として一体化することにより、機銃の砲身がしっかり固定され、主翼強度がUPするだけでなく、より実機に近い見た目になります
従来の方法ではどうしても「後付け」感が出てしまう
(往々にして余ったボンドがはみ出て主翼が汚染する)
尾翼と後輪
同じように
オマケ
扱いされる後輪
これも内部構造と一体化して胴体内で固定します
これで各尾翼、後輪が強固に固定されます
紙模型工房より
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プロペラ軸
従来品ではプロペラも
オマケ
扱いされることが多いです
全部組み上げたあとにプロペラを外から単純に接着するだけ
ではこの作品での工夫を見てみましょう
お分かり頂けるだろうか
本来エンジンが積載されている部分でプロペラ軸を主翼にガッツリ固定します
ゼロ戦の実機は胴体主翼一体形成なのでこれも理にかなっています
こうすることによって
主翼+胴体→エンジン→エンジンカウル→プロペラ
を一直線に並べやすくなり、機体の歪みが少なくなります
あ・と・は
プロペラ回転のギミックが仕込みやすくなります (ΦωΦ)フフフ…
プロペラの回転動画はこの記事の下の方にあります
コクピット
お待ちかねの コクピットです
有料の製品版などでは激烈に細かくコクピットを再現したキットを見かけますが
無料ペーパークラフトでここまでの出来は初めて見ました
結局大部分は隠れてしまうのでチラ見えでも十分なリアリティが出ます
あ、言い忘れてました
私の悪い癖で展開図は小さめにプリントアウトしています
推奨A4用紙の所をA5用紙に縮小して印刷
なのでこんなに小さいww
理由は置き場所が無い、というのと
手元にあったF6Fヘルキャットとの縮尺をなるべく合わせたかったからです
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キャノピー
いよいよ可動性キャノピーです
従来の作品ではキャノピーの開閉はあったとしても選択制がおおいです
つまり、開か閉で固定
じゃあキャノピーを可動式にするにはどうするか
紙模型工房より
コクピットごと可動パーツにブッ込みます
この発想はスゴイ
GIFで表現するとこうなります
なるほどこれなら実機に近い平行移動が可能ですよね
フィレット
ゼロ戦を始め、レシプロ機ペーパークラフトで難関となる作業の一つ
胴体と主翼の接続
特にゼロ戦を美しく見せるポイント
フィレット
これも綺麗にがっつり固定しようと思うと
すごく狭いエリアののりしろと格闘しないといけないし
のりしろに集中しすぎるといつのまにか主翼と胴体が歪んでくるし
歪みを戻そうとすると頑張って貼り付けたのりしろが剥がれたりするし
そうこうしているうちに手垢とボンドで作品がボロボロになっていくという悪循環
そこでこの方式
紙模型工房より
主翼の前半部分にはのりしろは設定されていません
プラップ部位の上面、赤線枠のエリアがすべてのりしろ
この発想は無かったぁ!!
これだと非常に作業がしやすい場所にドでかいのりしろでそれはもうガッツリばっちり胴体と主翼が接続します
しかも胴体→フィレット→のりしろが一体化
あの流れるようなラインが簡単に再現できます
場合によっては胴体と主翼の間にちょっとだけ隙間が出来るかもしれませんが
全体から見ると誤差範囲の瑕疵です
主翼前半と胴体の接続部位をまじまじと見ちゃダメだぞ!絶対だぞ!
あとは前脚を取り付けて・・・
増槽を付けたら
完成です!
正直ね、途中で画像を撮るのをすっかり忘れてしまうぐらい没頭しちゃってました
だってゼロっぽくなって来たら興奮して作業が止まんないんだもん・・・
カウルを外してエンジンも再現していますので
それは提供元のサイトをご覧くださいww
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プロペラを回転させてみた
先ほども述べましたが、プロペラ軸が機体の中心部に安定して固定されています
これを利用してプロペラ側にも少し細工を施して・・・と
今回の動力はドライヤーの送風ですww
↓効果音付きノーカットバージョンはこちら
まとめ
ペーパークラフトってね
3Dモデリングでポリゴン数を増やせばいくらでも細かくリアルに出来るんですよ
理論上はね
つまり一般的に 細かくてリアルな作品 であることと 難易度の高さ は比例します
さらにはポリゴン数を増やし過ぎて自分以外誰も作れない
しまいにゃ自分でも作れない程難しい! なんてことになってしまいます
紙模型工房さんの作品全般に言えることですが
確かに作るのは大変なんです
ですが作業を進めていくと
作り手のことを考えてなるべく難易度を下げてくれてるのがヒシヒシと伝わってきます
だから 細かくてリアルな作品 であるにも関わらず 難易度の高さ はそれほどでもない
つまり労力というコストに対する作品のクォリティ
という意味では抜群のコストパフォーマンスです
頑張って作る甲斐があります
ゼロ戦好きなそこのあなた
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