わかくさモノ造り工房

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【ヨットのしくみ】センターボードによる横流れの補正

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前回の続きで

センターボードとはなんじゃらほい

ということになるのですが

読んで字の如く、センター(中央)にあるボード(板)のことであります

 

結論から言いましょう

表題にあるように

ヨットが帆走する際、風の力で発生する推進力のうち、横流れする力を打ち消す作用があります

 

前回のおさらいをしてみましょう

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セイルに上手いこと風を流すと一定方向に力(揚力)が発生します

さて、この揚力を示した矢印

船の形から推測される進行方向を向いていませんよね

なんなら船が上を向くようにスマホをちょいと左45°回転させてみてください

 

ね?

 

そうなんです、風に対して切り上がろうとした場合、どう頑張っても斜め前方が限界なんですね

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そこでセンターボードが活躍します

船底の中央(左右からは完全に正中、前後からみてもほぼ中央)から

ニョキっと水中に生えてくる感じ

470級 

画像をご覧になるとお分かりになると思いますが

縦方向(進行方向)には出来るだけ抵抗を減らす

横方向に対しては出来るだけ抵抗を増やす

形状をしている訳ですよね まぁ板ですから

 

いちおう図で説明しておきましょう

数学や物理でお馴染みの「ベクトル」が出てきますが、大層なハナシでは有りませんのでご心配なく

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セールに風が流れると、揚力(水色矢印)が発生します

コイツは今まで語ってきた推進力

 

これを進行方向とその直角方向にベクトルを分解します

いわゆる分力ってやつね

そのうちのバッテンが付いているところ

センターボードによる抵抗で横方向のベクトルは打ち消されてしまいます

結果として進行方向のベクトルだけが残されて

船は前進するという訳です

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しかもこのセンターボード

競技用の小型ヨット(ディンギー)では可動式のものが多いです 

以前記事にした作品を利用して説明してみますと

まずは、やや古典的なヨットである「スナイプ級」

スナイプ級センターボード 可動

これはアルミ製のやや重い板を上から下に差し込む感じ

(´-‘).。oO(ちなみに動画のはアルミ風のテクスチャを描き込んだタダの紙)

 

続いて

ついこの間作った「470級」
470級センターボード 可動

ピボットタイプというセンターボードで

回転軸が設定されており

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スイングしながら水中に下ろしていくタイプです

 

やや時代が新しいセンターボードで

木製の芯にガラス繊維(グラスファイバー)、樹脂などで周囲をガチガチに固めてあり

人間が一人乗ったくらいではびくともしません

 

もちろんスナイプ級のセンターボードも金属製なので頑丈ではありますが・・・

 

時代が進むにつれ、材質もどんどん新しいものに更新されていき

センターボードは細く長く(より深く)薄く軽くそして頑丈になって行くわけです

 

さらに時代が進んで、最新型のヨットに至っては強度が飛躍的にUPした炭素繊維(カーボンファイバー)を用いたものが出てきますが、それは話が逸れるのでまた後日

 

このようにセンターボードは、深さ(横流れ抵抗に関与する面積)をコントロールできるんです

風に対する進行方向によってこれらを操作します

また陸揚げして船を格納する際にはこのボードを収納したり、外したりできます 

 

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大まかなセンターボードの役割を説明しました

ここでまたいくつか疑問が出てきます

 

・横流れ抵抗はいいとして、横からモロに風を受けたら船がすっころぶじゃん?

→帆船のヒール(傾斜)について

 

・センターボードって昔からあった訳じゃ無いじゃん

昔はどうしてたの?

キール(竜骨)の歴史について

 

・横流れを防ぐ他の方法 メリットとデメリット

→船体形状 復元力などについて

 (古今東西ごちゃ混ぜという暴挙に出てみる予定)

 

連載第2回目にして早くも収集がつかなくなってきているような気がしないでもないような気がしますが

それぞれ気が向いた順に解説していきましょう

 

 

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