今回は漫画のレビューです (初めてかもね・・・)
前半は漫画の説明、後半はグダグダと持論を述べていますので、無料漫画優先の方は目次の「さっさと読みたい方はここから」に飛んで下さい
はじめに
昨年2020年のコロナ禍が本格化して以降、休日の漫画漬け生活スタイルが常態化してしまいました
(´-‘).。oO(だって仕事絡みの会議とかも全部Zoomか中止なんだもんよ)
昔のようにわざわざ買いに行ったり立ち読みしなくても、ネットを漁るだけで無料で読める漫画がわんさか
第1巻~3巻くらいまで読めるものが多く、とても重宝します
それぞれの作家さんが世界観、設定、仕掛け、展開、結末と工夫を凝らした素晴らしい作品がたくさんありますよね~
あらゆるジャンルで幅広く楽しませて頂いております
ワタクシとて
幼少期から何十年にも渡って、漫画、アニメ、映画、ゲームなど、数多くの媒体でいろんな物語を経験してきたオッサンです
ちょっとやそっとのビックリ展開では心を動かされることはありません
(´-‘).。oO(もうね・・・スレちゃってんの)
元来ケチな性格もあって、途中まで読んだからといってそう易々と課金してまで続きを読みたいとは思わない訳ですよ
そんな中で、珍しく課金してでも最後まで読みたかった漫画がありましたので紹介します
もちろん内容が面白そうだったのが一番の理由ですが、もう一つは2巻完結、というところ
1巻は無料だったのでもう1巻だけ購入すれば結末まで読めますw
漫画「アイとアイザワ」
女子高生と自我を持ったAIとの恋愛ストーリーです
現在進行形で進化を続けるAI(Artificial Intelligence:人工知能)を題材としており、御都合主義の設定もちらほらありますが、ちょっとしたSF要素も含んだ展開となっておりなかなか興味深い
どうも私、既存の科学技術をテーマにした現実世界の近未来(または現在)を舞台にした、本来の意味でのSF(Science Fiction)が好きなようです
単行本にして2巻完結ですので展開は極めて早く、サクサクと物語が進みます
逆に言うと説明不足と思われる点も多く、これに関しては後述
第1巻の表紙が「鼻血を出してるヒロイン」っていうなんとも斬新なイラストでインパクトあり、一覧のザッピング中にも目に留まりやすい
女子高生と鼻血・・・
さぞや物語の核心に深くかかわる鼻血なんだろうと読み進めるのですが
実は劇中で鼻血を出すのは序盤だけ、話の本筋にはほとんど関与しません
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あらすじ
では序盤のあらすじ
主人公(かつヒロイン)
カメラアイ(瞬間記憶能力:実在します)と呼ばれる特殊能力を持った女子高生 明石家 愛(以降「アイ」表記)
カメラアイとは、まるでカメラの写真撮影のように視覚情報のすべてを瞬時に記憶し、脳内で保存、整理、出力(発語、記載、描画など)できるという、天才的能力のことです
この能力は実在します
我々凡人からすると羨ましいことこの上ない能力のように思えますが、実際には忘却ができなくなっている状態です
つまり「嫌なことが忘れられない」という不具合もあるそうで、世の中美味い話ばかりでは無いようですね
©かっぴー,うめ
精度は個々の能力者によって異なりますが、劇中ではアイのカメラアイは極めて精度が高いという設定になっております
アイは文学小説が好きなようですが
自身の生活圏内の本屋・図書館にある活字という活字、あるいは写真・画像・図表といったものすべてが既に彼女の頭の中にインプットされいる状態で、娯楽らしいものが無くなってしまっていました
ある日、カメラアイの研究協力依頼が日本のAI企業「NIAI」からありましたが乗り気ではありません
今までも、カメラアイの精度の高さのため研究目的に日本のみならず海外からも協力を依頼されており、うんざりしていたのでしょう
ただ今回は高額報酬のほかにアイの推し小説家の最新話が読める、という特典に惹かれて協力することになります
社屋の一室に案内されたアイは実体のない(カメラレンズしかない)AIと対面します
これが「技術的特異点」を超えた、平たく言うと自我を持ったAIで、もう一人(1機?1台?)の主人公「アイザワ」
「アイザワ」との対話で、アイは趣味嗜好を暴露されたり、容姿を評価されたり、未来予測を1分間に30万文字で説明されたり、鼻血出したり、新作の小説を書いてもらう約束をしたり、恋をしたりします(いろいろ省略)
©かっぴー,うめ
さっさと読みたい方はここから
ホントはここまでの3倍くらいの分量でダラダラとテキスト文章であらすじを書いていたのですが、上手くまとめられなかったので割愛します
というのも、私のツマらない文章を読んでいるよりも
漫画みた方が7万2千倍早い!!
ここで↑冒頭115ページだけであれば無料で読めます
コミックシーモアでも1巻が無料で読める時期が度々あります
先ほどもお話したように、この漫画は単行本換算で2巻完結
あまりに物語のテンポが速すぎて、説明不足感がハンパない
そこで、足りない部分の解説などが無いかネットを漁ってみたところ、ちょうど作者のかっぴー先生のnote記事を見つけました
「note」なる掲示板で、原作と思われる「挿絵入りの小説」的なものを見つけました
ここでは漫画では語られなかった部分がある程度補完されています
両方合わせて読むとより深く楽しめます
それはそうと・・・
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古今の漫画業界について
このnoteなる掲示板
初めは「アイとアイザワ」の補完用に利用していたのですが、関連記事を読んでいるうちに、漫画業界について色々と思うところがありまして・・・
思い起こせば
私が子供の頃は「週刊少年ジャンプ」全盛期でした
基本的に漫画家の先生が毎週描き下ろしている訳で、思いつくまま挙げてみると
お一人の場合、例えば
「ジョジョの奇妙な冒険」荒木飛呂彦先生
お二人で描かれている場合は
「キン肉マン」ゆでたまご(嶋田 隆司先生と 中井 義則先生)
ジャンプじゃないけれど
「ドラえもん」「怪物くん」藤子不二雄(藤本弘先生と安孫子素雄先生)
あるいは原作と作画が別
だったり種々のスタイルで創作されていました
ただ、共通点として
当時は、漫画という作品を世間の目に留まるようにするためには出版社が発行する紙媒体を介する方法しかありません
漫画の作者は出版社と何らかの契約を行い、編集部の管理下で製作していたイメージです
出版社は作家に原稿料を支払い、編集、印刷、出版により世に出し
雑誌、単行本の売り上げ、キャラグッズの著作権料などで食って行くわけです
作家の実力ももちろん大切ですが、それと同じぐらい出版社のプロモーションが大事になってきます
大ヒット作が出れば莫大な儲けがあるのは当然ですが
一方で人気の低迷、単行本の売れ行きが伸び悩み、端的に言うと「お金にならない」と判断された作品は早々に世間から消え去ってしまいます
一定のファンがいたとしてもです
厳しい時代でした
今回の漫画「アイとアイザワ」をみてみましょう
作者:かっぴー、うめ
と表記されています
最初は北斗の拳方式の原作・作画の役割かな? と思って読んでいました
ところが、かっぴー先生のプロフィールは「漫画家」
さらに調べてみると「うめ」というのは漫画ユニットで小沢高広先生と妹尾朝子先生のお二人
???これは、どういうこっちゃ???
この時点で3人の関与が伺えますが、いまいちよく分かりません
先ほどのnote記事
を見てみると
単行本形式(完全版?)と比べ、挿絵とのタッチが大きく異なっています
ん?つまりかっぴー先生は漫画家だけど、単行本版では異なる絵師さんが描いている・・・らしい
さらにいろいろ調べてみると
漫画ユニット「うめ」の構成は
小沢高広先生が脚本
妹尾朝子先生が作画
というふうになっていました
noteの小説版と単行本形式の漫画では、大筋は同じですが細部が若干異なります
脚色が入っている、ということですね
上でも紹介しましたが
この商品説明では
「かっぴー (著)、うめ(小沢高広・妹尾朝子) (著)」となっております
まとめると、私的な解釈ではあるのですが
かっぴー先生→原作
うめ(小沢高広)先生→脚本
うめ(妹尾朝子)先生→作画
という3者の役割で出来上がった漫画であると推測しています
面白いのが、通常の出版社からの発行ではなく
という電子書籍化やクラウドファンディングを中心に業務を行っている企業によるプロモーションで単行本化したものだったのです
つまり
かっぴー先生の「小説」がまずあって
株式会社ナンバーナインの斡旋で、うめ先生(2人)とコラボ
電子書籍として世に出す際に漫画形式の体裁を整え
クラウドファンディングを利用して、
新たに「完全版」として漫画「アイとアイザワ」が出来上がった、と
素人ながらに整理してみると、こういうシステムなんですね
うん、なんかもうカオスww
昨今の大ヒット漫画「鬼滅の刃」の例を挙げるまでもなく、従来型の紙媒体を中心とした漫画プロモーションも未だ圧倒的な影響力を示し続けています
ところが、当時と決定的に異なることはSNSなど個人の活動で世界のあらゆる場所に発信できるツールが出来た
逆に言うと、漫画雑誌の乱立、無制限の発信媒体、個人の価値観の多様化などにより我々が子供の頃のような桁違いの大ヒット作品は生まれにくくなっているのです
逆の意味で厳しい時代になりました
このあたりの事情の一部は、自称「打ち切り漫画家」松井勝法のnote記事に詳しく書かれていたのでご一読下さい
ここも無料漫画とかあって面白いです
打ち切り漫画家、「漫画」と「お金」について語る|松井勝法/まついかつのり コミックエッセイストYouTuber漫画家|noteより
この図が分かりやすい 左の↑↓、下の←→が従来型の漫画業界の仕組み
真ん中の→が新たなプロモーションの手法と考えてもらえばよろしいかと
松井勝法先生は 、自身の漫画が打ち切られるたびに
「応援してくれた読者に申し訳ない」
という気持ちから、セルフプロモーションを始めたそうです
その心意気に感激し、陰ながら応援しております(漫画読ませてもらってるだけだけど)
「アイとアイザワ」も新作というわけではありませんし、そこまで大ヒットしたような形跡もありません
私はすごく面白いなぁ、と思ったのですがちょっとテーマが難しいかもしれない
その証拠に、ウチの家内にもこのマンガを勧めてみたのですが琴線に触れることはありませんでした
今回の足りないと思われた漫画の内容も、あと2~3巻分追加して仕掛けや世界観の説明を追加したらもっと面白いと思うのですが、そうすると万人ウケしなくなって、コア層しか楽しめないようになるかもしれません
ただ、漫画漁りをしていた私にとって、他の漫画よりも少しだけ目に留まりやすい要素があって、他の漫画より少しだけ興味をそそられる内容で、珍しく購入に至った経緯を考えると
万人受けする漫画だけが世に残り続けるような時代ではなく、コアな読者層を新たに開拓できるツールが次々と出ており、必ずしも「大ヒット」のみを目指す必要はなくなってきたのかもしれません
プロだろうが素人だろうが誰でも漫画業界に参入できるようになり、もともと広かった漫画界の裾野はさらに広がっていくことでしょう
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最後に
では、今回のワタクシのモノ造り作品(イラスト)
上でも言及した「鼻血ヒロイン」の印象があまにも可哀そうなので、作中で気に入った一コマをイラスト化してみました
元絵は白黒なのですが、PowerPoint®で一からトレースして着色アレンジしています
いわゆる模写ですな
(模写:わかくさモノ造り工房)
物語のクライマックス
アイがアイザワに対して「まるで『心中』のお誘いね」と言わしめた際の一コマ
物語の結末は映画宣伝などでよくある
「衝撃のラスト!」とか
「ラスト15秒 瞬き禁止」などの
どんでん返しはありませんが、まぁ胸熱なハッピーエンドです
安心して読み進められます
無料部分、割引き、正規購入などいろんなアプローチで結末にありつけますよ
どうぞ皆さま、ご自身の目でお確かめ下さい
尚、今回の記事で使用しているその他のイラストも漫画内のコマをトレースして、1からパワポで描いています(ただのコピペでは御座いません)
(パワポの性能限界のため一部改変)
ええ、私のパワポお絵描きの練習です
いやー、可愛いコは描いてて楽しー
細かいところまで真似して描いているのですが、やはり漫画家の先生は1線1線丁寧に描いていらっしゃるのが身に染みて分かりますね
お暇な方は劇中のどのコマかを探して比較してみてください、かなり忠実に再現しております
(以上の理由で転載は禁止です)
ところで上で紹介した株式会社ナンバーナインのHPやnote記事を拝見していると
ちなみに、弊社における「漫画家」とは、商業・同人・Web・その他、描いている土俵に関わらずオリジナル作品を生み出している方を指します。「私、漫画家って名乗っていいのでしょうか…」というご質問も少なからずいただくのですが、そこは自信を持って名乗ってください。漫画を描くという行為に上も下も右も左もないという思いで、作品を作り続ける方々を、私たちはお手伝いしています。
漫画業界に新旋風!ナンバーナインって何の会社?社名の由来は?漫画家からの評判は?【公式note創刊】|ナンバーナイン公式|noteより
という記述がありました
マジか?!・・・じゃあ俺も漫画家名乗ってよき??
↓オリジナルでそれっぽいのコレしかないけどww
「釣らない釣り師」が解説 釣り堀りでの上手なコイの釣り方 - わかくさモノ造り工房
あっ!
でも、あくまで本職は立体です( ー`дー´)キリッ